宗派ごとの仏壇の正しい処分方法とは? 位牌の扱い方も

仏壇
目次

お仏壇の処分で、こんなお悩みはありませんか?

  • 引越し先が狭く仏壇を置くスペースがない
  • 浄土宗(他の宗派)の場合の仏壇の処分方法が分からない
  • 位牌の魂抜きや供養はしないといけないの?
  • 仏壇を自分で処分する方法を知りたい
  • 仏壇が大きく重いので、自分たちでは運び出せない
  • 仏壇を粗大ごみに出せるのか、そもそも出して良いのか気になる

引っ越し&不用品回収のプロがお答えします!

「仏壇を処分したいけれど、ぞんざいにはしたくない」「下手に捨てたらバチが当たりそう」など、仏様やご先祖を祀っている大切なものだからこそ、仏壇の処分方法に悩む方も多いでしょう。

この記事では、引っ越し&不用品回収業界で20年以上の経験を持つ筆者が、宗派ごとの仏壇の正しい処分の手順と、7つの処分方法をお伝えします。ぜひあなたにあった処分方法を見つけて下さい。

仏壇を処分する前に必要な魂抜き(たましいぬき)

仏壇と仏花

今の仏壇が古くて傷んできたので…。家が手狭で置き場所が無いので…。親/嫁ぎ先とは宗教/信仰が異なるので…。家を継ぐ人がいないので…など、仏壇を処分する理由は様々です。

ただどのようなケースであったとしても、魂抜き(閉眼供養)などの正しい手順を踏んだ上で処分されることをおすすめします。大切にお祀りされてきた仏様(御本尊)やご先祖様(位牌)を粗末に扱うのは無礼ですし、もし何か良くないことが起きたときに、「あのせいでバチがあたったんだ」と後悔せずに済むようにするためです。

魂抜き(閉眼供養)とは?

魂抜き(閉眼供養)とは、僧侶に依頼をしてお経をあげてもらい、お仏壇に宿った魂を抜く仏教の儀式です。

浄土真宗(本願寺派・大谷派など)の場合は、魂抜きではなく、遷座法要(せんざほうよう)/遷仏法要(せんぶつほうよう)という法要を行います。浄土真宗の教えでは、「人は死ぬとすぐに浄土(天国)に召される」とされているからです。

そして、これらの供養や法要を終えた後に、お焚き上げや処分をするのが正しい処分方法です。なお、仏壇を処分する際は、仏具や形見、貴重品などが入っている場合がありますので、必ず仏壇の中身が空っぽなのをしっかり確認してから処分するようにしましょう。

主な宗派ごとの仏壇の処分方法

浄土宗、真言宗、曹洞宗、日蓮宗、天台宗、臨済宗、時宗魂抜き(閉眼供養)後にお焚き上げや処分
浄土真宗(大谷派、本願寺派など)遷座法要(遷仏法要)後にお焚き上げや処分
創価学会御本尊は本部に返却かお焚き上げを行い、仏壇は普通に処分

魂抜きを行う場合、一般的なお布施の相場は1万円~3万円が目安となります。

仏壇の捨て方は7つ!

ここからは、仏壇の一般的な捨て方を紹介します。仏壇の処分方法は、以下の7つです。

1. 菩提寺・近くのお寺にお願いする
2. 仏壇・仏具店にお願いする
3. 自治体に粗大ごみとして回収してもらう
4. ゴミ処理施設に直接持ち込んで回収してもらう
5. 仏壇専門の買取店などに買い取ってもらう
6. メルカリやヤフオク!で売る
7. 不用品回収業者や引っ越し業者に引き取ってもらう

上記7つの捨て方をメリット・デメリットとともに解説します。ぜひ、ご自身が捨てやすい処分方法を見つけてください。

菩提寺・近くのお寺にお願いする

メリット閉眼供養と引き取りをセットで依頼できる
処分に手間がかからない
お寺なので、安心して供養できる
デメリット持ち込む場合は、大きさに関係なく寺院に持って行く手間がかかる
仏壇本体の引き取りを行わない寺院もある

仏壇を菩提寺などの寺院で処分する場合は、「お布施」としてお金を納めます。お寺によってはお焚き上げまでしてもらえるので、安心して任せられます。自分がお世話になっているお寺があれば、そちらに頼むのがよいでしょう。ただし、お寺ならばどこでも引き取ってくれるわけではありません。

また、費用相場は1万円〜10万円と幅広いです。お寺や仏壇によって費用が異なります。自分で持ち込むか引き取りにきてもらうかによっても、金額は変わります。

家の菩提寺や宗派が分からず、近くのお寺で断られてしまった場合は、他の処分方法を検討しましょう。

仏壇・仏具店にお願いする

仏具
メリット買い替え時は低価格で引き取ってもらえる
僧侶を招き、宗派に合わせて供養を行ってから処理してくれる
デメリット創価学会の仏壇は特殊なものとされているため、一般的な仏具店では引き取ってもらえない
お焚き上げしてくれない

仏壇は、仏壇・仏具店に引き取りをお願いできます。新しい仏壇への買い替えを考えている場合は、低価格で処分してもらえるのでお得です。引き取りだけをお願いする場合は、2~8万円が費用相場となります。閉眼供養まで対応しているお店が多いので、安心です。

自治体に粗大ごみとして回収してもらう

メリット処分費用が安くすむ
自治体に任せられるので安心
デメリット収集場所まで自分で運び出さなければならない
収集日が決まっている

仏壇は粗大ごみとして処分できます。「仏壇を普通に捨ててもいいの?」と心配される方も多いと思いますが、閉眼供養を行っていれば問題ありません。仏壇自体は信仰対象ではないため、宗派に関係なく捨てられます。

ただし、「仏壇を粗大ゴミで出している!」とご近所から見られることに引け目を感じたり、供養をしたとは言え他のゴミと一緒に粗末に扱われることに抵抗を感じる方は、粗大ごみとして出すのは控えましょう。

また、仏壇が大きい場合は、家の外まで持ち出すだけでも大変です。戸建ての2階にあったり、アパートやマンションで階段しかない場合は、自分で搬出できるかどうか予め確認しましょう。

一方で、粗大ごみとして処分する方法は、とにかく安く処分したい方には最適です。例えば名古屋市では、粗大ごみ手数料が千円くらいのため、安価で回収してもらえます。

粗大ごみへの回収は、事前に自治体のホームページよりインターネット申し込みするのがお手軽です。自治体ごとの手順に従って手続きを進め、収集日に所定の場所に持っていくと、回収してもらえます。

ゴミ処理施設に直接持ち込んで回収してもらう

メリット自治体の回収より安く処分できる
デメリット自分で処理施設に持ち込まなければならない
大型の仏壇の場合は、持ち込みが難しい

仏壇は、ゴミ処理施設に直接持ち込めます。回収費用は10kgごとに200円の処理手数料のみなので、仏壇の大きさによっては自治体に回収してもらうよりも安くすむ可能性があります。

名古屋市の粗大ごみの搬入先は、大江破砕工場です。ゴミ処理施設に搬入する場合、ごみが発生した区の環境事業所で受付を行います。環境事業所で受付をせずに、直接大江破砕工場に持っていっても引き取ってもらえません。

とにかく処分費用を安く済ませたい方には、最適な方法です。しかし、仏壇が大型で運ぶのが難しい場合は、不用品回収業者などのプロに依頼した方がよいでしょう。

仏壇専門の買取店に買い取ってもらう

メリット価値の高いものならば高値で売れる
古美術商で買い取ってもらえる可能性がある
デメリット仏壇を取り扱わない買取業者が多い
店舗に持ち込むための手間がかかる
買い手が少ないため、一般的な仏壇は買取金額が安くなりやすい

仏壇は、大半のリサイクルショップでは買い取っていません。ですが、仏壇専門の買取店であれば、買い取ってもらえる可能性があります。創価学会専門の買取店も存在します。

金箔の質が高い金仏壇など、元の値段が高価なものであれば売れる可能性は高いです。しかし、よく売られている仏壇だと、購入者が少ないため売れないかもしれません。

また、美術的価値がある仏壇であれば、古美術商で買い取ってもらえる可能性もあります。お店によって買取金額が異なるので、買取をお願いする場合は1つの店舗で決めずに、複数の店舗で査定してもらうのがお得です。

価値の高い高級仏壇とは?

買取の可能性もある価値の高い高級仏壇と、そうでない仏壇の違いはどこにあるのでしょうか?それは、どんな材料で作られ、どれだけ手間をかけて作られているかの違いにあります。具体的には、木の材質や産地、伝統工芸品のような工法の違いや彫物・蒔絵の精巧さ、金箔の純度や漆の品質などです。

仏壇には、大きく分けて金仏壇と唐木仏壇の2種類があります。

金仏壇(漆塗り金仏壇)唐木仏壇
材質ヒノキ、マツ、スギ、ケヤキなど黒檀、紫檀など重くて耐久性のある素材
表面・風合い・漆塗りの金箔仕上げ
・金で煌びやか
・木目の美しい輝き
・重厚な風合い

金仏壇の仕上げに使われている金箔にはランクがあり、それによって仏壇の値段が大きく変わります。また、唐木仏壇は、仏壇の素材に使われている黒檀や紫檀が、昔から「唐木」と呼ばれていたため、この名前がつけられています。

仏壇に使われる代表的な素材は、以下のものです。

仏壇に使われる代表的な素材
・唐木:唐の時代に輸入されてきた木材
・銘木:素材の中でも特に稀少価値の高いもの
・黒檀:材質は固く、水に沈むほど緻密で耐久性がある
・紫檀:バラの香りがする、心材が美しい暗紫紅色
・鉄刀木:材質は堅く耐久性があり、独特の美しい縞模様

このほかに、手頃で入れられる価格の仏壇は、合板やアルミニウム、プラスチックなどの素材で作られています。仏壇は、素材によって金額が異なるのが大きな特徴です。

メルカリやヤフオク!で売る

メリット自分で金額をつけて売れる
デメリット出品に慣れていないと、売れない可能性が高い
売れるまでに時間がかかる
自分で梱包や発送をする必要がある
個人間のトラブルを想定しておく必要がある

実は、仏壇はメルカリやヤフオクでも売れる可能性があります。最近は仏壇を家におく方が少なくなり、メルカリなどで手軽に購入したいと考える方が一定数いるからです。

メルカリやヤフオクはリサイクルショップと比較すると売れやすい反面、個人間だからこその手間暇がかかります。利用する際は、事前にトラブルや出品・配送時のポイントを抑えておきましょう。

不用品回収業者や引越し業者に引き取ってもらう

引越し業者
メリットまとめて処分してもらえる
来てほしいタイミングで来てくれる
事前に希望を出せば、供養をしてくれるところもある
引っ越し前の処分時にも利用できる
デメリット一点だけだと割高になりやすい
悪徳業者の見極めが必要

仏壇の処分方法に悩んだら、不用品回収業者にお願いするのがお手軽です。不用品回収業者に依頼すれば、仏壇だけではなく不要になった仏具や家具・家電、その他の不用品もまとめて処分してもらえます。仏壇を処分するタイミングで家の片付けを行いたい方は、不用品回収業者にお願いするのがよいでしょう。

また、引越し時に仏壇を処分したい場合、大半の引越し業者は引き取りを行っていません。ですが、ラッコスのようにごく一部の引越し業者は、仏壇の回収や閉眼供養にも対応していますので、引越しと同時に処分をしたい方には手間なくおすすめです

悪徳回収業者にご注意下さい!

不用品を回収してくれる業者の中には、悪徳回収業者も存在します。悪徳回収業者の多くは、ホームページやチラシではいいことを書いていても、実態がない業者が多いです。

実際、悪徳回収業者にお願いするとどのような事態になるのでしょうか?一例をご紹介します。

● 荷物を積み終わってから、無料なのは処分費用だけで運搬にはお金がかかると高額請求してくる
● 事前見積では格安の料金だったが、実際に依頼すると別費用をとられる
● 回収をお願いした不用品が不法投棄される(依頼者も重い罰則の対象になる)

悪徳業者に引っかかってしまうと、上記のようなトラブルに巻き込まれるかもしれません。仏壇は、ご先祖様をお祀りしている大切なものだからこそ、最後までしっかり処分してくれるところにお願いしましょう。

引越しに伴う仏壇の処分ならラッコスへ

仏壇の処分には様々な方法がありますが・・・
引っ越しに伴う仏壇の処分ならラッコスにお任せください!

仏壇や仏具はもちろん、それ以外の家具や家電など、お家の中の不用品であればほぼすべて回収可能。分別処分や運び出す手間も不要で、一気にまとめて処分できます。

さらに、各ジャンルごとに目利きが在籍し、豊富な再販販路を持つため、業界屈指の100以上の品目で高価買取を実施。買取品があればお得に処分できます。

引っ越し、不用品回収、買取、遺品整理の専門チームがあるので、窓口1つで様々なご依頼に対応。バラバラに依頼するより料金もお値打ちです。処分にお困りの際は、ぜひラッコスへお気軽にご相談ください。

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監修者

白石のアバター 白石 片付け・運搬・買取のエキスパート

ラッコス 代表
REPROZホールディングス(株) 代表取締役

引越し、不用品回収・買取、ブランド家具のリユース販売、遺品整理、ゴミ屋敷片付け、空き家のまるごと処分まで。

家の「モノ」や「コト」に関わるLife Support Company、REPROZホールディングス株式会社の代表。

SDGsにもいち早く着目し、海外に向けてのリユース品の再利用や発展途上国への寄付事業を手掛けるとともに、正しいSDGsのあり方などについても発信を行っている。

不用品業界において20年以上の実績があり、全国メディアでの出演も多数。
遺品整理士の資格も保有。

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